高刺激なUIの仕組みと見た目を分類した「ドパガキ図鑑(Dopagaki Atlas) 」を公開しました。 動画で実例を見て、好みの組合せを選び、AI に渡すデザインの依頼文(プロンプト)を作れるサイトです。
「もっと派手にして」だけでは、何をどう変えたいのか伝わりません。 押した瞬間の手応えを強くしたいのか、連鎖の気持ちよさを見せたいのか。 その違いを、見た目の好みと分けて指定できるようにしました。
「もう一回」の仕組みと、見た目を分ける
この図鑑で扱う「ドパガキUI」は、操作に強い反応を返し、次の操作への期待を短い周期でつなぐ高刺激なUIです。 操作の前に期待を持たせ、操作した瞬間に反応を返し、その反応を大きく見せて次の期待につなげる流れを整理しています。 「ドパガキ」はドーパミンとガキを組み合わせた俗語です。 ここでは人を指さず、高刺激なUIを整理する呼び名として使っています。 ドーパミンの分泌量を測ったり、効果を保証したりするものではありません。
分類は二軸です。 操作の繰り返しを促すための仕組みを「刺激エンジン」、画面の世界観や見た目を「表現テーマ」と呼びます。
刺激エンジンは13種類。 押した瞬間に対象が弾ける「触発打撃型」、失敗を克服する「習熟突破型」、霧の先を開く「未知探索型」などを整理しています。 表現テーマは14種類で、「合体機構」「連結パズル」「小さな仲間」「電脳侵入」などから選べます。
たとえば、「押すとすぐに反応して、次の入力へつなぐ」という仕組みは同じでも、パズルの駒が弾けるのと、機体に装甲を取り付けるのでは表現が変わります。 逆に、同じ機体の画面でも、装着の衝撃を楽しませる設計と、操作の上達を伝える設計は分けて考えられます。
13×14で、選べる組合せは182通りです。 二軸を並べた表(マトリクス)では、相性のよい組合せを示しています。 それ以外の組合せも選べますが、すべてに生成例があるわけではありません。 各分類には、繰り返す操作、操作に対する画面の反応、設計上のリスクも載せています。
6秒動画で、操作から次の行動まで見る
図鑑の刺激エンジンには、それぞれ6秒の動画標本を付けています。 静止画だけでは伝わりにくい、操作と反応のつながりを見るためです。
触発打撃型なら、岩を叩くと割れ、得点が増え、次の岩が現れる。 育成強化型なら、部品を使って潜水艇を強化し、越えられなかった壁を突破する。 画面が光るだけで終わらず、何をした結果なのか、そのあと何ができるのかまで描いています。
生成例ギャラリー では、刺激エンジンと表現テーマを組み合わせた動画も見られます。 使用モデルをClaude OpusやQwenと記載した作品があり、各作品の詳細で生成に使った条件を確認できます。 プロンプトを公開している作品では、その内容を読めます。 原文の一部を公開しているのか、非公開なのかも表示しています。 生成後に修正した作品もあるため、完成映像がプロンプトだけで得られたとは限りません。 動画は演出の見本で、映像内のゲームをその場で遊べるわけではありません。
音の役割を比べたい場合は、サウンド標本 も用意しています。 触発打撃型、育成強化型、変身解放型の3種類で、同じ映像の音ありと無音を切り替えられます。
選んだ組合せを、AIへの依頼文にする
プロンプト工房 では、分類を選ぶとデザイン依頼文が組み上がります。 出力形式は「UI画面」「6秒の高刺激動画」「HTML試作」の3種類です。 サイト内でAIを実行する機能ではなく、コピーした依頼文を手元の生成AIへ渡して使います。
最初は次の手順で試してみてください。
- マトリクス で「触発打撃型 × 連結パズル」を選ぶ。
- プロンプト工房で出力形式を選ぶ。
- 「使う場面」に、作りたい画面を入力する。
- 生成された文章を必要に応じて編集し、コピーして生成AIへ渡す。
依頼文には、入力前の予告、入力直後の反応、反応の増幅、結果を確認できる時間、次に操作する対象まで含まれます。 色や形だけでなく、何をきっかけに動くかも指定する形です。 補助エンジンは最大2つまで追加でき、サウンド設計の条件も加えられます。
依頼文には、動きを減らす設定やキーボード操作への対応も含めています。 ただし、生成AIがその指定どおりに作るとは限りません。 生成後は、操作と結果が対応しているか、文字が読めるか、演出を止められるかを実物で確認してください。
強い刺激を、達成の手応えに使う
図鑑では、強い演出を達成や上達、創作の手応えに使うことを勧めています。 一方、不確実な報酬と有料購入を結び付ける設計、不在を責めて戻らせる設計、休むと記録を失うように見せる設計には、リスクを説明する注意書きを付けています。
個人的には、「押したらちゃんと返ってくる」という気持ちよさを、ゲーム以外の画面でも使いたいと思っています。 作業の完了や学習の進歩が見える演出なら、派手さに役割を持たせられます。 ただし、毎回長い演出を見せる必要はありません。 通常の操作は短く、達成の節目では大きく祝う、と使い分けたいところです。
日本語版に加え、英語版 も公開しています。 まずは動画をいくつか見て、気になった刺激エンジンと表現テーマを一つずつ選んでみてください。 その組合せを、自分が作りたい画面への依頼文にできます。